以前、ちらっと紹介したこちらの本。昨日やっと、夜更かしですが、一晩かけて読むことができました。(細かい計算方法はざっくり読みで飛ばしましたが…)。
編み目について理解する、編み目を読めとれるようになる理論本を意図して書かれているので、基礎本や技術本といったハウツー本とは全く異なる、「読みもの」に近いです。
基礎本や技術本であれば、編みながら困った時に目次を見て、該当項目のページだけを見て済ませるものですが、この本はハウツー本ではなくて、編物に関しての新書を読んでいる感じです。新書は全く知識がない人にとっての入門書ですし、この本はある程度編み慣れている人だからこそ気付く問題点について対処するための内容レベルなので、新書に例えるのもちょっと違いますが。
要は、ぱぱっと目次を調べてページを開いてちゃちゃっと編む、という読み方ができません。目次を見ても、そのように使える目次ではないのです。巻末に索引もありますが、自分の調べたいことを何で調べようか、という具合。
↑帯にはこんな風に書いてあります。
一通り読み、良い内容ではありましたが、やり方を再確認する際に、どこのページがどのような内容か分かりやすくしておこうと、自分なりにメモしました。
具体的に何の情報が書いてあるのか分からず買おうか迷っている方の参考にもなればと思うので、書いておきます。とはいえ、第一章から読んでいくからこそ理解が進んでいく内容。著者さんもそのようにちゃんと読んでほしいという姿勢で書かれた本です。それだけ内容もしっかりしています。全体的には、話しかけるような文章体です。私はそこは気にならなかったのですが、ただ、英語の言い回しなどのジョークが差し挟まれると、そのジョークの面白さが分からず、その点だけは読み進めにくさを感じました。
【第一章 表目と裏目の仕組みの理解】
【第二章 ゲージ】
28-39 スワッチの編み方(メリヤス編みの場合、模様編みの場合)
40-45 編み目のキツイ、ゆるい
46-51 パティ式ゲージ計算方法
52-55 異なるゲージで同じ仕上がり寸法に
【第三章 パターン】
57-65 糸の選び方、セーターのサイズについて
【第四章 作り目】
67- 81 ロングテール・キャストオン(指でかける作り目について)
・スリップノットは使わない
・撚り解けをなくす
・作り目がへの字に縮む
・作り目を裏目で編む
・模様編みに合わせたロングテール・キャストオン(指でかける作り目)
・作り目を落とした
82-89 ケーブル・キャストオン
・スリップノットは使わない
・模様編みに合わせたケーブル・キャストオンの作り目
・角の丸みの解消(表目&裏目)
【第五章 減らし目と増し目】
98-109減らし目
・98-101 右上2目一度のガタつきを左上2目一度のように整える
・102-109 美しい3目一度
110-128 増し目
・111-117 左右対称に大きさの揃ったかけ目
・118-121 ねじり増し目の隙間をなくす
・119−123 編み目から編み出す増し目
・124-125 前段の目に編み入れる増し目
・125-129 右増し目
【第六章 やっかいな問題と解消方法】
130-139 糸継ぎ
140-141 段の初めの目の伸びの解消
142-151 輪編み
152-155 引き返し編みの段差と穴の解消
156-157 輪編みの伏せ止めの段差の解消
158-160 ゲタ目の解消(リブ編み&ケーブル編み)
161 ストライプ柄を綺麗に編む
162-163 リブ編みの縁編みの切り替え部分に起こる膨らみの解消
164-165 肩下がりのなだらかな伏せ止め
166 ドルマン袖のなだらかな作り目
167−169 襟の伏せ目の溝、穴、傾きの解消
【第七章 仕上げ】
172-175 伏せ止め(角の丸みの解消、ゆるく編む)
176-177 ブロッキング
178-179 糸始末
180-183 すくいとじの段差の解消
184-187 拾い目
188-189 前立てのリブ編みの下端のズレの解消
190-191 Vネックの前立ての角を綺麗に編む
192-194 ボタンホール
195-197 袖付け
それから、必須というほどではありませんが、編み物の説明書きや表現が、日本と英語でどのように違うのかも多少知っていた方が読み進めやすいかと思います。理論を理解するのに、英文パターンを念頭に置いた説明がベースにチラつくわけですから、なんか聞いたことある〜程度に知っていた方がイメージしやすいです。
上のハンドブックの冒頭あたりをパラっと読むだけで十分な程度。『パティさんの編み物知恵袋』の訳者さんが書いた本です。
日本の編み図は、編み図が当たり前に書いてありますが、英文パターンは基本的には編み図は無く、文章でバーっと書いてあります。図が載っているときは、模様編みの1パターン分を図に載せる程度だったり、必要性がある時に一部を切り取って編み図化されています。実際に英文パターンで編んだことはありませんが。
読書が苦手ではなく、理解を深めるのが楽しい、という方向けの本です。
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